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三井物産より世界初のメタノール燃料ばら積み貨物船KAMSARMAXを受注 ~ゼロエミッション船の実現に向け大きく前進~

2023年1月19日

常石造船株式会社(本社:広島県福山市沼隈町常石1083番地、代表取締役社長執行役員:奥村幸生)は三井物産株式会社よりCargillを傭船先とする、世界初のメタノール燃料のばら積み貨物船KAMSARMAXの2隻受注に向け基本合意しました。初番船は2025年後半に竣工する予定です。

これまでメタノール燃料船はコンテナ運搬船での受発注が主流のなか、当社はゼロエミッション船の実現に向け、グリーンメタノール※1を使用したメタノール燃料船の研究開始にいち早く着手し、本件の受注に繋げました。

KAMSARMAXは350隻以上の竣工を誇る常石造船の最大のヒット船型で、本船は重油に加え、メタノールも使用可能な二元燃料焚きとして新たに開発したKAMSARMAXです。独立した大容量のメタノール燃料タンクを搭載した結果、メタノールでも顧客要望を満足する十分な航続距離を確保しました。また船型改良等により、従来のKAMSARMAXよりも大幅に燃費性能を向上したことに加え、当社の独自技術で、TESS64/66シリーズに採用している風圧抵抗低減技術の「AEROLINE」※2を改良し、KAMSARMAXに初採用することで、風圧抵抗の低減による実海域性能の向上にも努めています。

シンプルな構造のメタノール燃料タンクを船尾甲板上に配置したことで、KAMSARMAXの特徴である大容量の貨物艙を維持しつつ、荷役の安全性や容易さと、乗組員による安全で効率的なメンテナンスを実現します。KAMSARMAXの主要目・仕様の大部分を踏襲し、高い汎用性を維持しています。

当社は今後もメタノールのみならずアンモニアや水素など次世代燃料船の研究・開発を加速し、お客さまに環境性能と経済性を両立したゼロエミッション船をご提供することで、地球環境への負荷軽減に貢献していきます。

 

Cargillについて:
世界に食品、農産品、金融商品、工業製品や関連サービスを提供する穀物メジャー。

※1 グリーンメタノール:
グリーンメタノールは、回収したCO2(二酸化炭素)と再生可能エネルギー由来の水素から合成されたメタノールや、バイオマスから製造したバイオメタノールを指し、カーボンニュートラルと見なされる。

※2 AEROLINE:
船首や居住区を流線形状とすることで風圧抵抗を約20%低減する独自技術。KAMSARMAXでのAEROLINE採用は本船が初となる。

■常石造船株式会社
常石造船(広島県福山市)は、造船・海運業を中心に事業展開する常石グループの中核会社で、船舶の建造と修繕を営んでいます。国内の常石工場(本社)とフィリピン、中国の海外工場を拠点に、ばら積み貨物船、コンテナ運搬船、タンカーなどを建造しています。
企業ホームページ:https://www.tsuneishi.co.jp/
ESGサイト:https://www.tsuneishi.co.jp/esg/

代表取締役社長執行役員: 奥村 幸生
事業内容:船舶の建造、修繕
創業:1917年(大正6年)7月
資本金:1億円
従業員:821人(2022年12月時点)
事業拠点:常石工場(広島県福山市)

- 本件に関するお問い合わせ先 -
ツネイシホールディングス株式会社
広報部
TEL : 084-987-4915
メール : pr@tsuneishi.com

  • 世界初となるメタノール燃料ばら積み貨物船のKAMSARMAXを受注

    世界初となるメタノール燃料ばら積み貨物船のKAMSARMAXを受注