2026/10/27

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常石三保造船 新潟工場にて5,000馬力タグボート「天神丸」を引渡し ― 運航・設計・建造の知見を結集した常石グループ3社のシナジー ―

天神丸

常石三保造船は、2026年10月22日(木)、新潟工場において5,000馬力のタグボート「天神丸(てんじんまる)」を引渡しました。本船は、神原タグマリンサービスが船主となり、常石エンジニアリングが基本設計および詳細設計、常石三保造船が詳細設計および建造を担当した、常石グループ3社の連携による一隻です。

本船は、起重機船の曳航をはじめ、大型船舶の離着岸時の補助、係留作業などに従事する鋼製タグボートです。定格出力2,500馬力のディーゼル機関2基と、コルトノズル *¹付きアジマス推進器 *²の2基を装備しており、試運転では、起重機船の曳航に十分に対応できる65トン超の前進曳航力と、14ノット超の最大速力を確認しました。
この推進器のコルトノズルは、新潟工場で製造したものです。新潟工場では、前身である新潟造船の時代から推進器用のコルトノズルを月に約10基製造しており、国内でも数少ない製造拠点の一つとなっています。
また、本船の大きな特長は、曳航用トーイングウインチを鋼製の壁で囲ったウインチルームです。荒天時でも屋根の下で、ウインチの操作やメンテナンスを行うことができ、乗組員の安全を高めています。さらに、甲板では曳航作業を円滑に行えるよう機器の配置を整えるとともに、曳航ロープが船体に擦れる箇所にも対策を施しています。また、居住区についても、乗組員が快適に過ごせるようシングルサイズのベッドを配置するなど、部屋や家具のレイアウトに細やかな配慮を施しています。

これらの工夫は、常石グループ3社がそれぞれの強みを持ちより、緊密に連携したことで生まれたものです。船主である神原タグマリンサービスが運航現場の視点から要望を示し、同社向けタグボートの設計実績を持つ常石エンジニアリングが、船主との綿密な打ち合わせを重ねて基本設計および詳細設計にまとめました。常石三保造船は、建造現場の知見を生かして詳細設計と建造を担いました。本船は、神原タグマリンサービスにとって、今後のタグボートの標準となる船です。

常石三保造船は、今後も本船の建造で培った知見とグループ各社の連携を生かし、港湾や海上での作業を支える船づくりに取り組んでまいります。


*¹ コルトノズル:プロペラの周囲を囲む筒状の部品です。水の流れを整えて推力を高める働きがあり、タグボートのように低速で大きな力を必要とする船に用いられます。
*² アジマス推進器:プロペラの向きを360度自由に変えられる推進装置です。前後左右への移動やその場での旋回ができ、狭い港内での機敏な操船が可能です。


【概要】
・船名:天神丸
・全長:37.40m(フェンダーを含まず)
・幅(型):10.50m
・深さ(型):4.50m
・総トン数:288
・前進曳航力:65.8トン
・最大速力:14.13ノット(試運転時)

乗組員の安全を確保するためのウインチルーム
曳航作業を円滑に行うための機器配置
乗組員が快適に過ごせるようレイアウトした居住区
天神丸