常石造船昭島研究所 日本船舶海洋工学会関西支部KFRセミナーで講演― 実船船尾流場の直接推定について紹介 ―
常石造船昭島研究所は、7月23日(木)に大阪公立大学I-siteなんばで開催された令和8年度 日本船舶海洋工学会関西支部の第364回KFR*1セミナー「摩擦抵抗の基礎と応用」 において、当社取締役木村校優が登壇し、「実船船尾流場の直接推定に関する研究 ― 実船計測とCFD解析を通じて」と題して講演しました。
近年GHG(温室効果ガス)排出規制の強化を背景に、船舶の省エネ技術の開発が急務となっています。中でも、船体表面の摩擦抵抗や船体周りの流場を正確に推定・計測することは、あらゆる省エネ技術の土台となる極めて重要な基盤技術です。
こうした最前線の領域において、プロジェクト「i-Shipping」*2で実施された「実船船尾流場の直接推定に関する研究」を紹介しました。
神戸大学の練習船「深江丸」を用いた実船試験では、試験計画の立案から計測、データ解析までを主導し、現場特有の困難を乗り越えて得られた貴重な知見を公開しました。さらに、海上技術安全研究所*3によるCFD解析結果や、国際的な共同研究枠組み「JoRES」*4における関連研究についても紹介し、実船計測と数値解析の両面から解説しました。
当社の実船計測というハードルの高い現場をやり抜く確かな実行力と、理論・解析を網羅した幅広い知見は、「摩擦と流れの制御」を支え、海事産業全体の省エネ化と技術革新に大きく寄与しています。今後も、学会や研究機関との連携を強化し、持続可能な海事産業の発展に向けた技術開発を積極的に推進してまいります。
*1KFR(Kansai Fluid-dynamics Research group/関西船舶海洋流体力学研究会)
船舶及び海洋構造物の流体力学に関する学術的知識の深化及び情報交換を目的に、セミナー・講演会等を企画、実施。
*2i-Shipping
国土交通省が推進する海事生産性革命の取り組みで船舶の設計・開発から建造、運航に至る全てのフェーズにおいてICTを活用し、イノベーションの創出と生産性向上を目指しています。
*3海上技術安全研究所
海事・海洋技術をリードする研究機関として、海上交通の安全及び効率の向上のための技術や、海洋資源及び海洋空間の有効利用のための技術、海洋環境保全のための技術に関する研究等に取り組んでいます。
*4JoRES(Joint Research Project)
船舶のエネルギー効率向上ソリューションに関する業界標準ベンチマークの開発を目的とした共同研究プロジェクト。数値解析手法の信頼性向上や検証データの整備を通じて、船舶性能のさらなる向上と海事業界のデジタル化を支える基盤づくりを目指しています。