2026/05/01

常石造船トピックス企業動向技術・開発

海運脱炭素の将来像を議論—Sea Japan 2026でパネルディスカッションに登壇—

2026年4月22日(水)、東京ビッグサイトで開催された海事産業展示会「Sea Japan 2026」において、Maersk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping(MMMC)が主催するセミナー「海運の脱炭素、現在地と進むべき方向性」に、常石造船 設計本部 商品企画部長の関和隆がパネリストとして登壇しました。
本セミナーでは、「燃料供給者と造船所、機器製造者の視点」をテーマに、海運業界の脱炭素化に向けた課題や今後の方向性について議論が行われました。モデレーターを務めたMMMCを中心に、造船所、エンジンメーカーなどの専門家が登壇し、脱炭素化に向けた業界連携の重要性について意見を交わしました。

〈将来の燃料不確実性を見据えた船舶設計の考え方〉
パネルディスカッションでは、次世代燃料の選択肢が多様化する中、将来を見据えた船舶設計のあり方について議論が行われました。
関は、燃料供給や価格、将来的な規制動向などに不確実性がある中で、顧客が投資判断を行う難しさに触れ、「燃料の供給状況や価格、将来的な炭素コストなど、さまざまな要素が不透明な中では、導入リスクがメリットを上回ると感じられやすい」と指摘しました。
こうした状況を踏まえ、関は「長期的な視点で船舶ライフサイクルを捉え、将来的な燃料転換や改造にも対応できる柔軟な設計が重要」と説明しました。
また、MMMCと共同で進めてきた既存船のレトロフィット(改造)検討にも触れ、将来の次世代燃料への代替燃料転換を見据えた取り組みを紹介しました。こうした活動を通じて培ってきた知見が、今回のパネリスト選定の背景の一つとなっています。

パネリストとして登壇した関(左から2人目)

〈リスク共有と業界連携の重要性〉
司会者から、脱炭素技術の社会実装を進めるうえでの課題について問われると、関は「脱炭素化を進めるためには、個社だけで完結するのではなく、船主、造船所、機器メーカー、燃料供給者などがリスクや機会、役割を共有する協業の枠組みの中で、導入リスクを上回る価値のある船を設計し実現することが重要」と説明しました。
司会者はセッションの締めくくりとして、脱炭素化の推進には業界横断的な協力と、実証プロジェクトを通じた知見の共有が重要であるとまとめました。

〈海運業界の脱炭素化に向けて〉
今回のセッションでは、海運業界の脱炭素化には、技術革新だけでなく、関係者間でのリスク共有や柔軟な設計思想、業界横断的な連携が重要であることが改めて示されました。
常石造船は今後も、将来の燃料転換や規制動向を見据えた船舶設計を通じて、海運業界の持続可能な発展と脱炭素社会の実現に貢献してまいります。