Transfer

会得したものは技術だけではない。 日本のものづくり精神がここにある。


新入社員はTHIの業務内容だけでなく、ツネイシの歴史や文化を学ぶ。
新入社員はバランバンやトレド、アストリアスなど近郊の町出身が中心。
危険予知能力向上の研修を行う体験ブロック。
トレーニングセンターでは常時300人が溶接や切断の技術を学ぶ。

振り返れば第一歩は遥か遠く。フィリピン人としての誇りをもって挑み続けた20年。

工場支援部
チャーリー・オンバオ(Charlie Ombao)本部長

 第一船台とその付近の海底を浚渫する任務に従事していたときのことです。当時、THIは高価な浚渫船を購入することができなかったため、私たちは粗末な道具を使って浚渫を行う以外ありませんでした。しかし、私たちはフィリピンで第一号となる外航商船を建造しようという大きな目標、国の夢に向かってハングリーに取り組んだのです。これからの20年も、私たちはハングリー精神を持ち挑戦し続けることが大切だと考えています。

社内品質監査室(IQA)
マリノ・グティブ(Marino Gutib)本部長

 1994年12月から、日本で6カ月間の技術研修に参加し、帰国後すぐにフィリピンで初めての中型外航船の建造に携わりました。しかし、私を含め技能者は皆、船づくりの知識がほとんどない状況で、船舶を一から建造するという無謀な挑戦でした。3人の日本からの赴任者の指導のもと、スケジュール通りに建造作業を進めることは大変な苦労でしたが、自信になりました。これからの20年に向け、THIは数多くの船を世に送る大企業へと発展していきます。

機械・電気艤装部
マイケル・ヘラルド・アベジャー(Michael Herald Abejar)本部長

 創業当初、日本式の倫理観や態度をフィリピン人の技術者や作業者に浸透させようと試みましたが、それには困難が伴いました。同時に、日本人の従業員には、フィリピンの文化についても理解するように促し、連携を深めるよう努力しました。会社の電気技師として、K&A METAL INDUSTRIES, Inc.から調達した中古の配線を使い、臨時施設の配線作業を任されたことが思い出深いです。
 私たちは、世界の造船業界から見れば、まだ新しい会社。将来は、世界有数の造船会社へと成長します。

工場管理部
ラミル・ロア(Ramil Roa)本部長

 私たち従業員にとって造船技術は未知のものであったため、教えてもらったスキルや技術を扱えるようになるまでは一苦労でした。さらに、日本人のスタッフと一緒に働くことで、より勤勉に仕事に取り組むようになりました。日本人が仕事に向けるひたむきさには、本当に目を見張ります。彼らの働き方に、私は感化されました。彼らが仕事に対して持つ倫理観は、特に組織で初めて働こうとする人たちにとって学ぶ価値があります。
 今後、THIはさらに発展し、いつの日にか造船業界のトップ企業としての地位を勝ち取ると信じています。

機械・電気艤装部
レイナルド・アニニョン(Reynaldo Aniñon)本部長

 最初に手掛けた船舶であるSC001の建造に携わり、フィリピンで初めての外航商船建造が進水するに至ったことは、今でも本当に感慨深いです。無事に引き渡すことができたことは、私だけでなく、わが国にとっても注目に値する出来事でした。進水式が執り行われるたびに、また、大統領がお越しになる際には、自分がフィリピン経済発展の一助となり得たことを光栄に感じます。
 これからTHIは、世界最高水準の品質で、日本や諸外国の大手造船会社と同等の生産性実現を目指します。