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常石造船 99,990MT型ばら積み貨物船 “TESS999”の1番船を進水

2018年11月2日

 常石造船株式会社(本社: 広島県福山市沼隈町常石1083、代表取締役社長:河野健二)は10月31日、Agritrans Shipping Co., Ltd.向けに建造中の、99,990MT型ばら積み貨物船“TESS999(テス トリプルナイン)”の1番船となる「AGTR AMBITION」を、グループの常石集団(舟山)造船有限公司(所在地:中国浙江省舟山市岱山県秀山、以下TZS)において進水しました。

 “TESS999”は、2008年に開発したポストパナマックスバルカー“TESS98”の後継船で、低燃費、高い汎用性を追求した「TESS」シリーズ(※1)の最大船型です。従来型の“TESS98”で評価された汎用性を保持するため、全長、エア・ドラフトは従来型を踏襲しつつ、船体幅を1メートル広げ39メートルにすることで、より浅喫水に対応した船型となり、従来型と比較して同喫水での載貨重量を約4,000トン増加させています。また、“TESS98”の実運航速力を参考にして船型を最適化したことで優れた運航効率を実現し、特に低速域において高い燃費性能を発揮。当社独自の省エネ技術である、MT-FAST(※2)や最適設計されたプロペラTOP-GR(※3)、G型電子制御エンジン(※4)の採用などを合わせ、約6%の燃費改善を図っています。

 従来型の“TESS98”は開発当時、ポストパナマックスバルカーでは全長230~235メートル、載貨重量9万トン前後が一般的といわれるなか、全長を240メートルとすることでカテゴリートップの9万8,000トンの載貨重量を有し、汎用性を兼ね備えた船型として船主から高い評価を得てきました。後継船となる“TESS999”は、従来の“TESS98”の実航路や運航データの分析を踏まえ、最新の省エネ技術や環境規制への対応など、現在の市場ニーズを反映して開発した船型となります。

 常石造船は、2008年以降に竣工した世界の6万5,000トンから9万トン未満のパナマックス型ばら積み貨物船のカテゴリーにおいて、世界のトップシェア(※5)を誇ります。市場において、確固たる存在を確立したばら積み貨物船を主軸に、タンカーやコンテナ運搬船など多角的なラインアップで幅広いニーズに答え、お客さまのビジネスに有益な船造りを続けていきます。

※1 TESS(Tsuneishi Economical Standard Ship)シリーズ: 運航性能と経済性を両立する汎用性の高い船を目指して開発し、1984年にシリーズ初の船型、TESS40(4万トン型ばら積み貨物船)を竣工。その後、時代の変化や船主のニーズを捉えてTESS45、TESS52、TESS58、TESS64、TESS98などバリエーションを増やし、国内外の船主から30年超にわたり支持され、竣工実績400隻を超える常石造船のヒットシリーズ。
※2 MT-FAST: プロペラの前方に複数のフィンを取り付けることで水流を整え、推進効率を約4%向上させることが可能な省エネ装置です。日本郵船グループの株式会社MTIと共同で開発。
※3 TOP-GR: コンピュータによる緻密な計算とシミュレーションを重ねることで、翼数、直径、翼断面の形状、翼幾何分布を最適化設計し、高効率で低振動の省エネ型プロペラを実現。
※4 G型電子制御エンジン:従来の「S型」よりもストロークが長く、低回転化を実現したエンジン。これによりプロペラ効率の向上が図られ、燃費の向上やCO2排出量を低減。
※5 2008年~17年の竣工船実績で、世界市場のうち約15%のトップシェアを誇る:Clarksonデータを基にした当社調べ

【TESS999の概要】
船種    : 99,990MT型ばら積み貨物船
主要寸法  : 全長約240メートル×船幅39.0メートル×深さ20.05メートル
満載喫水  : 14.20メートル
載貨重量  : 99,990メトリックトン
総トン数  :  55,100トン
建造工場  : 常石集団(舟山)造船有限公司

■常石造船株式会社について
2017年に100周年を迎えた当社(広島県福山市)は、造船・海運業を中心に事業展開する常石グループの中核会社です。国内の常石工場(本社)とフィリピン、中国、パラグアイの海外3工場を製造拠点に、3万トン~18万トン級のばら積み貨物船、コンテナ船、タンカー、客船などを建造しています。

URL:http://www.tsuneishi.co.jp/
代表取締役社長:河野 健二
事業内容:船舶の建造、修繕
創業:1917年(大正6年)7月
資本金:1億円
従業員:880人(2017年12月時点)
事業拠点:常石工場(広島県福山市)
造船事業関連会社:
TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.(フィリピン・セブ島)
http://www.thici.com/
常石集団(舟山)造船有限公司(中国・浙江省)
http://www.tsuneishi-zs.com/
ASTILLERO TSUNEISHI PARAGUAY S.A.(パラグアイ・セントラル州ビリェタ市)
http://www.glocal-japan.com/southamerica/
株式会社三保造船所(静岡県静岡市)
http://www.mihozosen.co.jp/
常石鉄工株式会社(広島県福山市)
http://www.tsuneishi-iw.jp/
常石商事株式会社(広島県福山市)
http://www.tsuneishi-trading.co.jp/
常石エンジニアリング株式会社(広島県福山市)
http://www.tsune-e.com/

- 本件に関するお問い合わせ先 -
ツネイシホールディングス株式会社
マーケティングコミュニケーション部
pr@tsuneishi.com
TEL:084-987-4915

  • 進水した“TESS999” 

    進水した“TESS999” 

  • 船台上をゆっくりと進水する“TESS999”

    船台上をゆっくりと進水する“TESS999”