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常石造船、新開発の3万8,300トン型木材およびばら積み貨物船“TESS38”国内船主より初受注

2015年5月1日

常石造船株式会社(本社: 広島県福山市沼隈町常石1083、代表取締役社長: 河野健二)は、新開発の3万8,300トン型木材およびばら積み貨物船“TESS38”※複数隻を、国内の友好船主より初めて受注しました。4月14日、フィリピンのTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.において関係者が集まり、契約調印式を執り行いました。アジアにおける経済発展による資源輸送の需要増加や、世界的な経済低迷のなかでも小口の木材輸送は安定して需要があることから、ハンディサイズの木材およびばら積み貨物船の新造船需要を見込み、2014年11月に開発に着手し、同年末より受注活動を進めていたものです。

新たに開発したTESS38は、従来のTESS35をベースに船長を3メートル長い180メートルとすることで、載貨重量を3,000トン増加し輸送効率を高めた船型です。アジアを含む太平洋や大西洋の主要航路における既存船の運航状況を独自調査し、木材輸送での用途が多い、甲板上にも木材を搭載できる固縛装置を標準装備しています。さらに、TESS35と同様に4基のデッキクレーンを搭載し、開口面積の広いハッチカバーと貨物艙に鉄鋼製品の輸送にも適したセミボックス型ホールドを採用することで、高い荷役効率とメンテナンス性を実現しています。プロペラの推進効率を高める省エネ付加物や、波浪抵抗や風圧抵抗を低減する船体形状などTESSシリーズやカムサマックスバルカーの開発で得た環境技術を搭載し、1990年代自社建造のハンディサイズバルカーと比較して燃費を15.4%向上させたエコシップです。

初受注したTESS38は、フィリピンのTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.で1番船を2017年末に竣工予定です。常石造船では今後、国内外の顧客を対象に、営業活動を実施する意向です。

※ ツネイシ・エコノミカル・スタンダード・シップ。1984年にシリーズ最初の船型、TESS40(4万トン型ばら積み貨物船)を竣工。その後、TESS45、TESS52、TESS58などバリエーションを増やし2012年1月にハンディマックスシリーズで竣工300隻目を達成。2014年5月にはTESS64 AEROLINEを市場投入。

■TESS38の主要目
船種:D/W 38,300メトリックトン型木材およびばら積み貨物船
長さ:180メートル
船幅:30メートル
深さ:15メートル
満載喫水:10.45メートル
載貨重量トン:38,300メトリックトン
主機:MAN B&W 6S50ME-B8.3
貨物艙容量:47,800㎥
その他の特徴:
・プロペラの前部に取り付ける複数の翼型の構造物、「MT-FAST」を搭載。水流を整えることで推進効率が約4%向上する。日本郵船グループ会社の株式会社MTIと共同で開発した。
・船首部の波の抵抗を軽減する「SEAWORTHY」を搭載。高い波でも抵抗が少なくなり、貨物搭載時のシーマージン(波浪中の抵抗増加)を最大約5%削減できる。広島大学と共同で開発した。
・風圧を低減する形状の居住区を搭載。広島大学と共同で開発した。
・鉄鋼製品など重量物の搭載に対応し、船底の構造強度を高めた。
・バラスト水処理装置を標準搭載。

■常石造船株式会社の会社概要 
 http://www.tsuneishi.co.jp/
創業から112周年を迎えた造船・海運業を中心に事業展開する常石グループの中核会社で、国内の常石工場(本社)とフィリピン、中国の海外2工場を展開し、3万トン~18万トン級のばら積み貨物船を中心に、コンテナ船やタンカーなど年間60隻程度を建造しています。

代表取締役社長:河野 健二
事業内容:船舶の建造、修繕
創業:1917年(大正6年)7月
資本金:1億円
従業員:721人(2014年12月時点)
事業拠点:常石工場(広島県福山市)
造船事業関連会社:
TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.(フィリピン・セブ島)
http://www.thici.com/
常石集団(舟山)造船有限公司(中国・浙江省)
http://www.tsuneishi-zs.com/ 
常石鉄工株式会社(広島県福山市)
http://www.tsuneishi-iw.jp/
常石商事株式会社(広島県福山市)
http://www.tsuneishi-tradings.co.jp/ 
常石エンジニアリング株式会社(広島県福山市)
http://www.tsune-e.com/

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ツネイシホールディングス株式会社
CSV本部 マーケティングコミュニケーション部
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