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三浦工業と常石造船が共同開発した舶用外付け「補機熱回収ユニット」が特許を取得

2014年12月22日

三浦工業株式会社(本社:愛媛県松山市、代表取締役社長:髙橋祐二)と常石造船株式会社(本社:広島県福山市、代表取締役社長:川本隆夫)は、2013年に共同開発した船舶業界初※1となる外付け「補機熱回収ユニット」に関する2種類の技術特許の査定が完了し、このほど特許を取得しました(特許第5611278号、第5611281号)。補機熱回収ユニットは船内に設置された発電機の排熱を再利用することを目的に、熱源として回収する装置で、主機用ボイラを通じて熱エネルギーに変換します。主機用ボイラの燃料使用量を従来より12%から25%削減できます。

・三浦工業株式会社
 http://www.miuraz.co.jp/

・常石造船株式会社
 http://www.tsuneishi.co.jp

特許を取得したのは、発電機の排ガスと主機用ボイラの水との熱交換に関する技術で、煙管方式と水管方式の2種類です。煙管方式は、補機熱回収ユニットの中に主機用ボイラの水を取り込み、ユニットの中を通るパイプを伝熱管として高温の排ガスを通し、熱を回収するタイプです。水管方式は、ユニットの中を高温の排ガスで満たし、主機用ボイラから複数のパイプを伝熱管として引き込み、水を通して熱回収するタイプです。いずれも水位調整は自然循環式で、シンプルな構造です。補機熱回収ユニットの開発段階において、両方の方式で効果が見込めることから2種類の特許を申請しました。2013年に開発した補機熱回収ユニットでは煙管方式を採用し、発電機の煙道レイアウトや主機用ボイラへユニットを外付けしメンテナンスしやすい構造に設計しています。

補機熱回収ユニットは、常石グループ国内外の製造拠点で建造するばら積み貨物船19隻への搭載がすでに決定しており、2015年前半にTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES(CEBU), Inc.(フィリピン・セブ島)で建造する新造船のTESS58に初号機を搭載し、建造中の2015年2月に船内での性能試験を予定しています。常石造船が2013年以降に開発した新船型※2で標準搭載する機器として採用するほか、2012年以前の開発船型で、標準搭載として採用されていない新造船でも一部の船主からオプションとして追加搭載を決定いただくなど、顧客から高い評価を得ています。

【特長】
・機関室内に設置された複数の発電機それぞれに外付けで設置し、従来の排熱回収装置の主機用ボイラと連結する構造。複数の発電機から効率的に排熱を回収し、主機関の排熱利用を補完する。
・発電機からの熱回収量は、常石造船の建造船に搭載した場合、主機関(メインエンジン)からの熱回収量の10%程度を回収し、約100kg/hの蒸気を作ることが可能です。補助ボイラ本体を大型化することなく、船内に必要な蒸気量を確保できます。
・付加価値として、ダイハツディーゼル株式会社(本社:大阪府大阪市)協力のもと新開発した、専用の消音器(サイレンサー。特許申請中)を内蔵し、排熱回収のほか消音効果も備えるユニットです。船舶の入港時に、周辺地域への騒音による影響の低減に貢献します。
・発電機や補助ボイラ周辺の構造やパイプの配置に対応して、メンテナンススペースを確保できるよう柔軟なレイアウトが可能です。
・ユニット内部の伝熱管への煤付着の予防として、伝熱管個別に高圧空気スートブロワ※3を設置しています。

※1.三浦工業調べ
※2.TESS35(3万5,300トン型)、TESS58(5万7,700トン型)、TESS64 AEROLINE(6万3,700トン型バルカー)
※3.燃焼ガスから発生した煤が伝熱管内部へ付着するのを、圧縮空気を吹き付けることで防ぎ、熱伝導率の低下を防ぐ装置。

【三浦工業株式会社 概要】
小型貫流ボイラをはじめ、舶用製品事業のほか熱エネルギーの利用、水処理、環境関連技術の事業分野における製品の開発・販売。現在、海外における現地法人は12社あり、生産工場は6工場で展開中。

URL     :http://www.miuraz.co.jp/
代表取締役社長:髙橋祐二
本社住所   :愛媛県松山市堀江町7番地
設立     :1959年5月
従業員数   :4,205人(連結、2014年3月31日現在)
資本金    :95億4,400万円(2014年3月31日現在)
売上高    :855億3,500万円(2014年度連結決算)
主な事業内容 :小型貫流ボイラ、舶用ボイラ、水処理装置、冷熱機器などの製造、販売、メンテナンス

■常石造船株式会社の会社概要
創業から111周年を迎えた造船・海運業を中心に事業展開する常石グループの中核会社で、国内の常石工場(本社)とフィリピン、中国の海外2工場を展開し、3万トン~18万トン級のばら積み貨物船を中心に年間60隻程度を建造する。

URL     :http://www.tsuneishi.co.jp/
代表取締役社長:川本隆夫
本社住所   :広島県福山市沼隈町常石1083番地
設立     :1917年7月
従業員数   :約710人(2013年12月末現在)
資本金    :1億円
売上高    :2,159億円(2013年度グループ造船事業セグメント連結決算)
主な事業内容:船舶の建造、修繕

- 本件に関するお問い合わせ先 -

三浦工業株式会社 ブランド企画室
Mail: burandokikakushitsu@miuraz.co.jp
TEL:089-979-7019 FAX:089-979-7126

ツネイシホールディングス株式会社
マーケティングコミュニケーション部
pr@tsuneishi.com
本社福山市  TEL:084-987-4915
東京オフィス TEL:03-3264-7733