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「TESS45」再発進よりコンパクトになり運航パターンの多様化に対応

2012年4月9日

常石造船株式会社(以下、常石造船、代表取締役社長:川本隆夫)は、1990年代に3万7,000トン級から4万5,000トン級ばら積み貨物船の多様な寄港パターンをカバーする船型として好評を得た4万5,000トン級ばら積み貨物船TESS45を、よりコンパクトなサイズのボックスシェイプにすることによって、さらに顧客価値を高めた船型「TESS45BOX」として10年ぶりに市場に再投入しました。

TESS45は、1980年代初頭に欧州船主のハンディマックスバルカー大型化の要望に応えて開発した常石造船オリジナル船型TESS40※1の後継モデルで、1984年から18年間でTESS40とTESS45を合わせて108隻を竣工しました。国際海上輸送量の増加に応えるTESS52の開発に伴い2001年8月以降は建造実績はありませんでしたが、3万7,000トン級から4万5,000トン級ばら積み貨物船が現在も世界で約9百隻運航※2していることから、TESS40、TESS45を含めた同船型のリプレース需要を見込み、開発を進めてきた商品です。

 TESS45BOXは、TESS45をベースに4万5,000トン級の載貨重量を確保しながらも、船長を従来より短い183メートルとすることで、さらに柔軟に寄港地を組み合わせることが可能です。新たに箱型貨物艙(ボックスシェイプ)を採用し、穀物や石炭などのばら積み貨物のみならず、パルプなどの方形貨物やパイプなど鉄鋼製品の輸送にも適する汎用性の高い船型です。箱型貨物艙によって貨物の積み下ろしがしやすく、荷役効率とメンテナンス性が向上するなど顧客価値向上を実現しています。さらに、運航採算性を高めるため、TESSシリーズ※3の開発30年で蓄積された船体形状の改善や環境新技術の投入によって燃費効率を向上させています。

 国内外の顧客を対象に受注活動を進めており、このほど海外の友好船主より3隻のご発注をいただきました。2014年より常石集団(舟山)造船有限公司で建造の予定です。

※1

当時ハンディマックスバルカーで主流だった3万7,000トン級前後の船型を、長さや幅などのサイズをそのままに より多くの貨物が搭載できる船として開発。

※2 海運市場リサーチ会社の英クラークソン社発行データに基づく当社調べ。多くが1970年代〜80年代の建造。
※3

1984年にシリーズ最初の船型、TESS40(4万重量トン型ばら積み貨物船)を竣工。その後、TESS45、TESS52、TESS58などバリエーションを増やし2012年1月にはハンディマックスシリーズで竣工300隻目を達成。

― 記 ―


TESS45

TESS45BOXの主要目

船種 載貨重量45,400メトリックトン(mt)型ばら積み貨物船
長さ×船幅×深さ 約183メートル×30.40メートル×16.5メートル
満載喫水 11.59メートル
載貨重量トン 45,400mt(メトリックトン)
主機 三井MAN B&Wディーゼル機関6S50MC-C 8.2
その他の特徴

・プロペラの前部に取り付ける複数の翼型の構造物、「MT-FAST」を搭載。
水流を整えることで推進効率が約4%向上する。
日本郵船グループ会社の株式会社MTIと共同で開発した。
・船首部の波の抵抗を軽減する「SEAWORTHY」を搭載。
高い波でも抵抗が少なくなり、貨物搭載時のシーマージン(波浪中の
抵抗増加)を最大約5%削減できる。広島大学と共同で開発した。
・風圧を低減する形状の居住区を搭載。広島大学と共同で開発した。
・鉄鋼製品など重量物の搭載に対応し、船底の構造強度を高めている。
・バラスト水処理装置を標準搭載。

建造工場 常石集団(舟山)造船有限公司(中国のグループ会社)

― 本件に関するお問合せ先 ―
ツネイシホールディングス株式会社 広報・CSR室
担当:宮宗(みやそう) TEL:084-987-4915