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常石造船の新船型 6万3,700トン型バルカー“TESS64 AEROLINE”デビュー 風圧抵抗低減など新技術搭載し燃費効率20%向上

2014年5月31日

常石造船株式会社(本社: 広島県福山市)は、新たに開発した風圧抵抗を低減する新技術“AEROLINE”を搭載した、6万3,700トン型バルカー“TESS64 AEROLINE(テス64 エアロライン)”を市場に投入しました。300隻を超える建造実績があるTESS(ツネイシ・エコノミカル・スタンダード・シップ)ハンディマックスシリーズの最大船型TESS58の運航パターンをほぼカバーしつつ、船長を10メートル伸長することで載貨重量を6万トンクラスに増加させ輸送効率を向上しています。浅喫水型で環境にもやさしい常石造船初の6万3,700トン型バルカーとして開発し、このほど営業活動を開始しました。

・常石造船株式会社
 http://www.tsuneishi.co.jp

新技術“AEROLINE”は、風圧抵抗を低減する新技術で、従来の建造船で導入している居住区外の隅切り形状と、新たに開発した船首上部の流線形状とを組み合わせ、風圧抵抗を10%削減します。船首上部の形状に丸みをもたせ、流線型のスタイリッシュなデザインです。

低燃費船が求められる中、TESS64 AEROLINEは、この新技術“AEROLINE”を搭載するのをはじめ、新たに開発した “TOP-GR(Tsuneishi Optimized Propulsive Gear、トップギア)”により低振動で推進効率を高めたプロペラや、船外から空気を直接取り入れエンジンの燃焼効率を向上する “FAIS(Fresh Air Intake System、ファイス)”を採用。肥大船でも抵抗の少ない船体形状を開発し、独自の省エネ技術と電子制御エンジンを搭載することで燃費性能を高め、従来のTESS58と比べ燃費効率が20%※向上しています。

さらにTESS64 AEROLINEは、満載喫水状態における実運航速度域の性能を最重視した設計です。満載でも燃費が良く、港湾の入港制限をクリアする浅喫水型でありながら、より多くの貨物を積載するため、79,000㎥の貨物艙容量を確保し輸送効率を高めています。

常石造船では、TESS64 AEROLINEの市場投入によるラインアップの拡大で、顧客ニーズにきめ細かく対応し、さらに受注を伸ばしたい考えです。

※国際海事機関(IMO)が設定した船舶のエネルギー効率設計指標に基づき算出。2013年1月以降の契約船が対象で、2019年末日までに船型のサイズによって定められた基準値(リファレンスライン)より10%の削減が義務付けられており、以降、段階的に厳しい目標値が設定されている。

TESS64 AEROLINEについて——————————————————–

■主要目
船種: D/W 63,700メトリックトン型ばら積み貨物船
長さ: 200メートル未満
船幅: 32.26メートル
深さ: 18.60メートル
満載喫水: 13.30メートル
載貨重量トン: 63,700メトリックトン
主機: MAN B&W 6S50ME-B9.3
貨物艙容量: 79,000㎥

■その他の特長
・プロペラ前部に取り付ける複数の翼型構造物「MT-FAST(エムティ ファスト)」を搭載。水流を整えることで約4%推進効率が向上する。日本郵船グループ会社の株式会社MTIと共同で開発した。

・船首部の波の抵抗を軽減する「SEAWORTHY(シーワーシー)」を搭載。高い波でも抵抗が少なくなり、貨物搭載時のシーマージン(波浪中の抵抗増加)を最大約5%削減できる。広島大学と共同で開発した。

・鉄鋼製品など重量物の搭載に対応し、船底の構造強度を高めている。

・バラスト水処理装置を標準搭載。

▼常石造船株式会社
http://www.tsuneishi.co.jp
▼常石集団(舟山)造船有限公司
http://www.tsuneishi-zs.com
▼TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.
http://www.thici.com

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