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初のコンテナ船を竣工建造技術の向上と船種の多様化で建造100隻達成

2013年5月23日

常石集団(舟山)造船有限公司(以下、常石集団(舟山)造船、総経理:佐藤俊夫、中国浙江省岱山県舟山市秀山島)は、同社100隻目の建造となる1,020TEU型コンテナ運搬船「VEGA SKY※1」を船主の神原汽船株式会社に5月23日引渡しました。常石集団(舟山)造船でのコンテナ船建造は初めてで、2007年10月の新造船建造1隻目の竣工以来、ばら積み貨物船の連続建造で造船技術を高め、顧客ニーズへの柔軟な対応を目的に船種の多様化につなげました。佐藤俊夫総経理は「100隻の建造で培った経験を生かし、これからもお客様の期待にこたえる船を安定的に提供していくため、品質、技能などのいっそうの向上を図っていきます」と話しています。

1,020TEU型コンテナ運搬船は、TESSシリーズ※2などばら積み貨物船の開発で培った環境技術を生かし、波浪抵抗の少ない船首形状やMT-FAST※3などを採用し推進性能を高めています。さらに、“TESS58”(5万8千トン型ばら積み貨物船)と同等クラスの高出力で燃費性能の高い主機を搭載し省エネを実現しています。このほかにも、全長143メートル、深さ11.3メートル、総トン数が1万トンを下回るコンパクトなサイズながら、高い積載効率を有しています。常石グループとしてコンテナ運搬船の建造は、1995年に2,839TEU型を常石造船で竣工して以来18年ぶりとなります。船主の神原汽船は、30日に引渡される「ALTAIR SKY※4」とともに、上海と日本海側地方港を結ぶ定期コンテナ航路に投入する計画です。

常石集団(舟山)造船は、常石造船向け大型船体ブロックおよび居住区ブロックの製造を2003年から開始し※5、2007年より一隻建造を開始しました。建造ドックの新設など生産設備の拡充とともに、常石造船の主力商品、“TESS58”や“カムサマックスバルカー”(8万2千トン型ばら積み貨物船)、ポストパナマックスバルカー“TESS98”(9万8千トン型ばら積み貨物船)を建造しています。連続建造で造船技能の習熟度を高めるほか、技能訓練センターを設置し日本人の熟練技能者による技術指導や、工程管理を担当する技師を日本の工場で研修するなどして、造船技能や生産効率の向上を図っています。

※1 ヨミ:ベガスカイ。日本語で「織姫」の意。
※2 TESS:ツネイシ・エコノミカル・スタンダード・シップ。1980年初頭、常石造船が国際市場をターゲットに、コンパクトなサイズでありながら載貨重量を増加し、燃費向上による運航コストの低減をコンセプトに開発。1984年にシリーズ最初の4万トン型“TESS40”を竣工して以来、5万8千トン“TESS58”まで大型化を進め、4万トン〜6万トン未満のハンディマックスシリーズで建造300隻を2012年1月に達成。
※3 プロペラの前部に取り付ける複数の翼型の構造物。水流を整えることで、推進効率が約4%向上する。日本郵船グループ会社の株式会社 MTI と共同で開発。
※4 ヨミ:アルタイルスカイ。日本語で「彦星」の意。
※5 常石集団(舟山)造船の前身、常石集団(舟山)大型船体有限公司と常石集団(舟山)船業発展有限公司による。


VEGA SKY
“VEGA SKY”


■1,020TEU型コンテナ運搬船“VEGA SKY”の主要目と特徴

船種 1,020TEU型コンテナ運搬船
船名 VEGA SKY (ヨミ:ベガスカイ)
長さ×船幅×深さ 約143メートル×22.60メートル×11.30メートル
載貨重量トン 12,274mt(メトリックトン)
総トン数 9,996トン
主機 三井MAN B&Wディーゼル機関6S50MC-C8
馬力 連続最大出力8,400kW×113回転/分
航海速力 18 ノット
建造工場 常石集団(舟山)造船有限公司
その他の特徴
  • 居住区を船尾端に搭載し、岸壁クレーンによる荷役時の効率を高める。
  • 新SOLASやIS CODEに適合した復原性を確保。
  • 燃料タンクの二重船殻化、船尾管エアシール、電動甲板機など油流出リスク
    を最小化。
  • 危険物や冷凍コンテナなど多様な貨物に対応。
  • バラスト水処理装置を標準搭載。

■常石集団(舟山)造船有限公司 沿革

2003年 3月 常石集団(舟山)船業発展有限公司 設立
12月 常石集団(舟山)大型船体有限公司 設立
新造船の船首側半分(Fore body)と船尾側半分(Aft. body)をそれぞれ建造し日本の常石造船常石工場へ曳航、接合して竣工する建造スキームを導入。
2004年 9月 常石集団(舟山)大型船体有限公司で第1船台完成
2007年 6月 第2船台を完成し、1隻建造を開始する。
10月 常石集団(舟山)船業発展有限公司と常石集団(舟山)大型船体有限公司が統合し、常石集団(舟山)造船有限公司が発足。
建造1隻目の5万8千トン型ばら積み貨物船「TESS58」、“GL PRIMELA”を竣工。
2008年 5月 8万2千トン型ばら積み貨物船「カムサマックスバルカー」の1隻目“MANOUSOS P”を竣工
2009年 3月 10万トン級未満の建造ドック完成
2010年 4月 9万8千トン型ばら積み貨物船「TESS98」の1隻目“GL XIUSHAN”を竣工
2012年 1月 常石グループ造船事業でTESSハンディマックスシリーズ建造300隻目、“SANDRA”を竣工
2013年 5月 建造100隻達成

― 本件に関するお問合せ先 ―
ツネイシホールディングス株式会社
広報・CSR室 TEL: 084-987-4915
担当: 清水