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船舶居住区空調用の吸収式冷凍機を(株)商船三井、日立アプライアンス(株)と共同開発

2008年12月12日

 ツネイシホールディングス株式会社常石造船カンパニー(本社:広島県福山市沼隈町常石1083、社長執行役員:神原勝成)はこのほど、株式会社商船三井(本社:東京都港区虎ノ門、代表取締役社長:芦田昭充 )、日立アプライアンス株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:石津尚澄)と共同で船舶用吸収式冷凍機を開発しました。第一号機が株式会社商船三井の新造船に搭載され、就航後は運転データを採取・解析し、環境性能のより高い製品開発に反映していきます。

 吸収式冷凍機は、電力消費量が少なく、フロンをまったく使用しないなど、省エネ性・環境性が高いことが特徴です。陸上用としてはコージェネレーション施設や地域冷暖房プラントなどに幅広く使われており、揺れ対策や冷却管の腐食対策などを行うことで、船舶に搭載できるようになりました。これにより、燃料(C重油)の消費量が減り、CO2の排出量を年間77t以上削減できます。これは、杉の木のCO2吸収量の5500本以上に相当します。

特 徴

1)ノンフロン→地球温暖化係数ゼロを実現

 通常の冷凍機のフロンにあたる冷媒に臭化リチウムを使っており、フロン類は一切使用しません。このためオゾン層破壊および地球温暖化効果はゼロです。通常、船舶の冷凍機には代替フロンを使用しますが、オゾン層破壊係数がゼロといわれる代替フロンは、地球温暖化係数がCO2の約1500倍以上とされています。冷凍機をノンフロンに変えることで、地球温暖化防止に大きく貢献します。

2)高い省エネ性

[1]従来の圧縮型冷凍機よりエネルギー効率が向上

 電力削減率は80%以上で、32kWの圧縮型冷凍機と同等の性能を、吸収式冷凍機ではわずか5kWで発揮します。

[2]夏季に廃棄していた蒸気の熱エネルギーを、冷房用に再利用

 通常は、主機関から出る排気ガスの熱エネルギーは、燃料油加熱や冬季に居住区の暖房用として利用していますが、夏季に余ったエネルギーは活用されていませんでした。しかし、今次開発した吸収式冷凍機により、夏季には居住区用の冷房に利用できます。

搭載された吸収式冷凍機
搭載された吸収式冷凍機

 

 

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ツネイシホールディングス株式会社 グループ企画室
広報担当:今井
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