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常石造船、操舵室の設計基準を一新

2004年2月18日


—標準操舵室配置を策定しTESSシリーズに採用—


常石造船株式会社(本社:広島県沼隈郡沼隈町常石1083、代表取締役:神原勝成)は、より安全な航海を司る操舵室の新設計基準として独自の標準操舵室配置を策定、2004年に進水が予定されているカムサマックス・バルカーの第一船を皮切りに今後の建造船への採用を決定しました。

外洋航路等における長期にわたる航海の安全を支えるため、かねてより常石造船では航行監視・操船装置の操作性、作業環境や居住性に優れた操舵室の設計について検討を進めてきました。検討プロセスにおいては建築専門家によるコンサルティングも導入、人間工学的な配慮も加えて新しい設計基準を策定しました。

今回策定した新設計基準の主な特徴は、以下のとおりです。
(1)ワイド・ガラス採用による視野の拡大
船橋前面窓の突出部と船橋前面及び両舷窓に横幅の広いワイド・ガラスを採用することにより、視野の死角を減少させています。これにより、安全航海に必要な視野を確保しました。

(2)レーダーとコンソールの一体化による操作性の改善
操舵装置を船橋コンソールへ組み込み、レーダーとコンソールを一体化することで、操舵船作業における操作性の向上を実現します。

(3)配色の考慮による作業環境の改善
建築専門家によるコンサルティングにもとづき、室内の配色を考慮しています。床材、カーテン等についてはブルーを基調に色彩を統一、操舵室内の天井、壁等の配色については明度を落とし、落ち着き感を演出することで疲労の軽減をはかります。また、船橋コンソール、無線機コンソール、レーダー、航海計器パネル等の重要機器については機械特有の無機的な色彩を払拭し、ブルーカラーを採用することにより統一感、視認性を向上させ、適度な緊張感を演出することで作業環境の改善と安全性の向上をはかります。

(4)ラバーマットの採用により作業疲労を軽減
操舵室の作業環境の改善に向けて床材にはラバーマットを採用し、滑り止めとクッション効果により作業疲労の軽減をはかります。
(なお、操舵室のイメージについてはパース図をご参照ください。)
http://www.news2u.net/incidental_download.php3?sid=df45abf45b&rid=NRR20043398

「TESS」は常石造船のバラ積み船の標準船型のシリーズ名称です。第一船は40,000トン型を1984年に竣工。1999年には建造100隻を越え、現在では累計建造数173隻を誇る、造船業界有数のベストセラー船種となっています。
1994年には積載重量を45,000トン型に増加させたにもかかわらず燃費とスピードを維持した「TESS45」型を発表。その後、積載重量を52,000トンにした「TESS52」、さらにパナマックスバルカーを大型化し世界最大クラスの載貨重量と低燃費が特徴の「TESS76」を建造しました。2002年には「TESS82」(カムサマックス・バルカー)を開発、2004年には操舵室に新設計基準を採用する第一船が進水の予定です。

■ 本件に関する報道関係お問い合わせ先
常石造船株式会社 経営企画部長 長谷川 弘
TEL:084-987-4915
Eメール:hiroshi_hasegawa@ts.tsuneishi.co.jp
URL: http://www.tsuneishi.co.jp/

操舵室のイメージ・パース